2026年衆議院選挙は、高市早苗首相率いる自民党が単独で3分の2を超える316議席を獲得する歴史的圧勝となった。 一方で、その「勝ちすぎ」が原因となり、選挙制度の想定外の仕組みが発動。 結果として、選挙で全敗したはずのれいわ新選組が“1議席”を得るという、奇妙な事態が起きた。
なぜ、高市政権を激しく批判してきたれいわ、そして大石あきこ氏の名が「復活」とともに浮上したのか。 その背景には、日本の小選挙区比例代表並立制が抱える構造的な問題がある。
自民党が強すぎた選挙の「落とし穴」
今回の総選挙では、自民党が全国の小選挙区で圧倒的な勝利を収めた。 本来、小選挙区と比例代表の重複立候補者は「比例復活」することを前提に配置されている。
しかし今回は、自民党が想定以上に小選挙区で当選者を出したことで、比例で復活させる候補者が不足するという前代未聞の状況が発生した。
比例の議席が「余る」という異常事態
公職選挙法では、比例代表の議席は得票に応じて各党に配分される。 ただし、当選させる候補者がいなければ、その議席は他党に再配分される仕組みになっている。
今回、自民党はこの規定により、14議席を他党に譲る形となった。 これがいわゆる「自民のおこぼれ」と呼ばれる現象だ。
議席ゼロ寸前だったれいわ新選組
れいわ新選組は今回、31人の候補者を擁立したものの、小選挙区・比例代表ともに全敗。 通常であれば、国政から完全に姿を消してもおかしくない結果だった。
しかし、比例議席の再配分によって、れいわにも1議席が回ってくることになる。
なぜ「大石あきこ」が注目されたのか
注目を集めた理由は、れいわ共同代表・大石あきこ氏が選挙期間中、 高市首相に対して極めて強い言葉で批判を繰り返していた点にある。
討論番組や街頭演説では「解散の大義がない」「内閣総辞職レベルだ」と攻撃を続け、 首相側から名誉毀損を指摘される場面もあった。
そのため、「自民党の圧勝によって生まれた議席で、れいわが救われる」という構図に、違和感を覚える有権者が続出した。
SNSで広がった拒否感と疑問
れいわの議席獲得が報じられると、SNSでは次のような声が相次いだ。
- 自民に入れた票が、なぜれいわに回るのか分からない
- これを民意と言っていいのか
- 批判していた相手の制度で救われるのは筋が違う
特に、大石氏が議席の「辞退」や「拒否」をするのではないかという見方も一部であった。
れいわ側の受け止めは「踏みとどまった」
選挙後の会見で、れいわ幹部はこの1議席を「幸運」や「棚ぼた」とは表現しなかった。
「大きな支援エンジンを失いながらも、なんとか崖っぷちで踏みとどまった」 という言葉からは、制度による救済であっても、正当な結果だという認識がうかがえる。
結果として、議席は辞退されることなく、そのまま受け入れられた。
制度が生んだ皮肉な結果
今回の一件は、特定の政党や政治家だけの問題ではない。 小選挙区比例代表並立制が持つ「民意のねじれ」を、象徴的に示した出来事と言える。
勝ちすぎた政党が議席を失い、負けた政党が救われる――。 この仕組みをどう評価するかは、有権者一人ひとりに委ねられている。
まとめ
れいわ新選組・大石あきこ氏が「復活」と注目された背景には、自民党の歴史的大勝と、選挙制度の想定外の作用があった。
それは決して不正ではないが、多くの有権者が違和感を覚えたのも事実だ。 今回の選挙結果は、日本の選挙制度そのものを改めて考える材料を提示したと言えるだろう。
