日本テレビ系で放送されたドラマ『良いこと悪いこと』は、
「子どもの頃の些細な出来事が、大人になってから取り返しのつかない悲劇へとつながる」
重く、後味の残る物語でした。
第9話で明かされたのは、連続殺人事件の真相と、
その裏に隠されていた瀬戸紫苑(しおん)という一人の少女の人生です。
この記事では、
・真犯人は誰なのか
・なぜ事件は起きたのか
・共犯者の可能性はあるのか
を整理しながら考察していきます。
物語の始まり|「ドの子」と呼ばれた少女
瀬戸紫苑は、小学5年生のときに5年1組へ転入してきました。
音楽の授業でリコーダーの「ド」を失敗したことをきっかけに、
クラスメイトから「ドの子」と呼ばれ、いじめの対象になってしまいます。
最初は些細なからかいだったものが、
やがて無視や嘲笑へと変わり、紫苑は学校に居場所を失っていきました。
そして夏休み明け、紫苑は誰にも本当の理由を知られないまま転校します。
掲示板の書き込みが示す「異変」
鷹里小の森の掲示板には、
2002年夏を最後に書き込みが途絶え、翌年になって再び投稿が再開されていました。
この空白期間は、
紫苑の転校=クラス全体が触れてはいけない出来事
になったことを暗示しているようにも見えます。
夢を叶えたはずの未来と、再び襲うトラウマ
転校後も紫苑はピアノを続け、
大人になってからはリサイタルを開けるほどのピアニストへと成長しました。
自宅でピアノ教室を開き、
「音楽と共に生きる」という子どもの頃の夢を実現していたのです。
しかし、その穏やかな日々は長く続きませんでした。
ある日、高木が娘・花音を連れて、
紫苑のピアノ教室を訪ねたことをきっかけに、
紫苑の中で封じ込めていた記憶が一気に蘇ります。
結果、紫苑は再びピアノが弾けなくなり、
心身ともに追い詰められていきました。
そして――
彼女は薬物によって命を絶ってしまいます。
真犯人は誰なのか?|宇都見啓の正体
連続殺人事件の犯人として明かされたのは、
瀬戸紫苑の婚約者・宇都見啓でした。
宇都見の動機はただ一つ。
愛する人を死に追い込んだ過去への復讐です。
彼は紫苑が受けたいじめ、
それを見て見ぬふりをした大人たち、
関わった人物すべてを裁くために行動していました。
宇都見が手を下したと考えられる事件
- 貧ちゃん:マンションからの転落死
- ニコちゃん:道路での事故死
- カンタロー:焼死事件
- 大谷先生:冷凍による殺害
- ちょんまげ:ナイフ事件
どの事件にも共通しているのは、
紫苑の人生を壊すきっかけに関わっていた人物であることです。
なぜキングだけは殺されなかったのか
宇都見は高木(キング)に対して、
「お前はいつまでも悪い子でいろ」
という言葉を残して立ち去りました。
これは、単なる見逃しではありません。
宇都見は、
自分が悪になり、キングに罪を背負わせる
という結末を選んだのだと考えられます。
もしキングが宇都見を殺せば、
紫苑の過去、いじめの真実、すべてが白日の下に晒される。
それこそが、宇都見にとっての最後の復讐だったのかもしれません。
共犯者は存在するのか?残された謎
一方で、物語にはまだ完全には回収されていない謎も残っています。
宇都見は6年1組の生徒ではありません。
それにもかかわらず、
子どもたちの夢や替え歌、細かな思い出を把握していました。
疑われる人物① 大谷先生
卒業アルバムの黒塗りや、
タイムカプセルの掘り返しに関与していた大谷先生は、
クラスの内情を最も知る立場でした。
彼女が情報を宇都見に渡していた可能性は否定できません。
疑われる人物② トヨ
校外学習の施設で不審な動きを見せていたトヨも、
何らかの形で過去を知り得た人物です。
明確な描写はありませんが、
視聴者に考察の余地を残す存在と言えるでしょう。
まとめ
『良いこと悪いこと』の真犯人は、
瀬戸紫苑の婚約者・宇都見啓でした。
しかし、この物語が問いかけているのは、
「誰が殺したのか」だけではありません。
子どもの頃の何気ない一言、
見過ごされたいじめ、
見て見ぬふりをした大人たち。
その積み重ねが、
紫苑の人生を壊し、
宇都見を復讐者へと変えてしまったのです。
本当の意味での「犯人」は、
私たち一人ひとりの中にあるのかもしれません。
