退職代行サービスとして若者を中心に急速に利用者を増やしていた「モームリ」。 その運営会社社長が逮捕されたというニュースが、大きな波紋を広げています。
一見すると「退職の意思を伝えるだけ」のサービスに思える退職代行ですが、 今回の事件では弁護士法違反という重大な法律問題が浮上しました。
この記事では、モームリの谷本慎二社長がなぜ逮捕されたのか、 事件の概要や問題点を分かりやすく整理して解説します。
モームリ社長・谷本慎二容疑者の逮捕概要
警視庁に逮捕されたのは、退職代行サービス「モームリ」を運営する 会社「アルバトロス」の社長・谷本慎二容疑者(37)と、 妻で従業員の谷本志織容疑者(31)です。
2人は、退職を希望する依頼者を弁護士に紹介し、 その見返りとして紹介料を受け取っていた疑いが持たれています。
逮捕容疑は「弁護士法違反」
問題となったのは、弁護士法で禁止されている 「非弁行為のあっせん」にあたる可能性です。
弁護士法では、弁護士資格を持たない者が、 報酬を目的として法律事務を取り扱ったり、 法律事務を弁護士に仲介・紹介する行為を禁じています。
警視庁は、モームリ側が報酬目的で 退職交渉を扱う弁護士を依頼者に紹介していたと判断しました。
退職代行「モームリ」はどんなサービスだったのか
「モームリ」は2022年にサービスを開始し、 退職を言い出せない人に代わって、 会社へ退職の意思を伝える退職代行サービスを提供してきました。
具体的には、以下のような業務を行っていたとされています。
- 会社への退職意思の伝達
- 有給休暇の日数の確認
- 退職に必要な書類の案内
利用者は4万人超と急成長
精神的な負担を理由に退職を切り出せない若者を中心に利用者が増加し、 累計利用者数は4万人を超えていたといわれています。
こうした背景から、退職代行サービス自体は 一定の社会的ニーズがある分野でもありました。
なぜ問題になったのか?合法ラインとの違い
退職代行サービスそのものが違法というわけではありません。
重要なのは「どこまでの業務を行うか」です。
退職の意思を伝えるだけなら合法
本人の意思を会社に伝えるだけであれば、 法律事務には該当せず、一般の退職代行業者でも対応可能です。
交渉やトラブル対応は弁護士の業務
一方で、以下のような行為は法律事務にあたります。
- 退職条件の交渉
- 未払い残業代や慰謝料の請求
- 会社とのトラブル対応
今回の事件では、モームリ側が 弁護士への紹介を通じて報酬を得ていた点が 違法と判断された可能性が高いとみられています。
警視庁の捜査状況と今後の焦点
警視庁はすでに、モームリの運営会社本社や 谷本容疑者の自宅、関係する弁護士事務所などを家宅捜索しています。
押収資料の分析や関係者への事情聴取を進めるとともに、 紹介を受けた弁護士側の関与についても調べているとのことです。
今後、立件範囲が拡大する可能性もあり、 退職代行業界全体への影響も避けられない状況です。
まとめ
今回の事件で明らかになったのは、 退職代行サービスと法律業務の境界線の難しさです。
モームリの谷本慎二社長らは、 依頼者を弁護士に紹介し紹介料を得ていた点が 弁護士法違反にあたるとして逮捕されました。
退職代行は便利なサービスである一方、 運営方法を誤れば違法となるリスクもあります。
今後は、利用者側も 「どこまで対応してくれるサービスなのか」 「弁護士が関与しているのか」を より慎重に確認する必要がありそうです。
