2025年6月9日、元横綱・白鵬翔さん(現・宮城野親方)が都内で記者会見を開き、日本相撲協会からの退職を正式に発表しました。25年にわたる相撲人生を「相撲に愛され、相撲を愛した」と語った白鵬さん。その決断の背景には、一門内の複雑な事情や、弟子たちへの想い、そして新たな夢への挑戦がありました。今回はその会見内容をもとに、白鵬さんがなぜ協会を去るのか、そして今後の活動について詳しくご紹介します。
白鵬が語った「協会退職」の理由とは?
白鵬さんは会見で、「今の自分が置かれた立場を考えると、協会の中ではなく外の立場から相撲界の発展に尽くすことが良いと判断した」と語り、退職の決意に至った背景を説明しました。
実際には、昨年から続く「宮城野部屋の預かり状態」や、弟子たちの移籍問題、そして一門内の意見の食い違いなど、複雑な状況がありました。弟子の多くは「大島部屋(元旭天鵬)」への移籍を望んでいたものの、「モンゴル出身だからダメだ」という声があり、希望が叶わず引退した者も9人にのぼります。
「照ノ富士の下は嫌」ではない ― 弟子たちと向き合った1年
一部報道では「照ノ富士が伊勢ヶ浜親方になるのを快く思っていないのでは」という見方もありましたが、白鵬さんは明確に否定。「照ノ富士は私が父のような立場で支えてきた後輩。彼が頑張ってくれたことには感謝している」と語り、「『照ノ富士の下は嫌だ』という感情は全くない」と強調しました。
白鵬さんはこの1年間、伊勢ヶ浜部屋や宮城野部屋の若手と共に汗を流してきたと振り返り、「どれだけ一生懸命やってきたか、彼らが一番知っている」と自信を見せました。
「世界相撲グランドスラム」構想とは?白鵬の新たな挑戦
協会を離れた白鵬さんは、相撲の精神を世界に広めるための新プロジェクト「世界相撲グランドスラム」を立ち上げます。これは、相撲の伝統や礼節、鍛錬を通じて、差別や偏見の解消に貢献するという理念を掲げるものです。
「相撲は神事であり、人々を導く道でもある」と白鵬さん。今後は日本国内に留まらず、世界規模での相撲文化の普及に注力していく予定とのことです。将来的には相撲をオリンピック競技として採用させるという夢も語っていました。
まとめ
今回の退職会見を通じて、白鵬さんの相撲界への深い愛情、弟子たちへの想い、そして未来へのビジョンが明らかになりました。
「悔いはまったくありません」と語った白鵬さん。その潔い決断と、今後の国際的な相撲普及活動に期待が集まります。伝統と革新の狭間で、新たなステージへと進む白鵬翔さんの挑戦から、目が離せません。