2025年12月8日、群馬県の名峰・妙義山で大規模な山火事が発生しました。発生から1日以上が経過しても鎮火に至らず、県が自衛隊に災害派遣を要請するほど深刻な状況です。
この記事では、火災が起きた場所や原因の推測、消火活動の現状から鎮火の見通しまで、最新情報をわかりやすくまとめています。
妙義山で発生した山火事の概要
12月8日午前9時ごろ、妙義山で「煙が見える」と登山者から通報が入りました。現場は妙義山の中でも険しいエリアとして知られる「堀切（ほっきり）」周辺の山林で、通報時点では枯れ草が燃えている程度とみられていました。
しかし、乾燥した天候が続いていたことも影響し、火は一気に燃え広がり、約8万平方メートル（サッカー場11面ほど）が延焼する事態に。
幸い、周辺に民家はなく、けが人や逃げ遅れの情報も入っていません。
どのあたりが燃えているのか？
火災が発生したのは、富岡市と安中市にまたがる妙義山の中腹付近。登山道からも近いエリアで、登山者が通行するルートのすぐそばです。
地上からは近づけない険しい地形のため、消火活動は主にヘリによる空中消火で行われています。
山火事の原因は？現時点でわかっていること
今回の火災の“直接的な原因”について、消防や警察はまだ正式な発表を行っていません。しかし、これまでの国内の山火事の傾向から、いくつかの可能性が指摘されています。
人的要因の可能性が高い？
総務省消防庁の統計では、日本の林野火災の多くは、
- たき火の不始末
- タバコの火の不始末
- 火気使用（バーナーなど）
といった人為的な理由が原因となっています。
妙義山でも、近年「登山中にバーナーを使う人を見かけた」「タバコが放置されていた」などの声がSNSで報告されており、今回も人的要因の可能性が指摘されています。
ただし、現時点ではあくまで推測であり、警察の調査結果を待つ必要があります。
なぜ火がなかなか消えないのか？
妙義山の火災は、発生から10時間以上経っても鎮火せず、延焼が続いています。その背景には、以下の3つの要因が重なっているためです。
① 空気が非常に乾燥していた
12月の妙義山周辺は晴れの日が続き、湿度が下がる状況が続いていました。乾いた落ち葉や草は一度火がつくと燃え広がりやすくなります。
② 強い風が吹いている
天気予報では、山間部で風速10メートル前後の風が吹く時間帯もあり、風が火をさらに広げる原因となっています。
③ 地形が険しく、地上消火ができない
妙義山は「ギザギザした岩壁」が連なる日本屈指の険しい山。消防車が近づけないため、消火はヘリコプターの空中消火が中心となります。
しかし、ヘリ消火は夜間に行えず、日没後は延焼を見守るしかないため、鎮火まで時間がかかっています。
現在の消火活動と鎮火の見通し
群馬県は12月8日の夕方、自衛隊に災害派遣を要請しました。9日朝からは自衛隊のヘリも加わり、消火活動が強化される見込みです。
ただし、風が強まる予報が出ているため、鎮火がいつになるかはまだ不透明です。天候次第では消火作業の長期化も懸念されます。
登山はできる？入山規制について
現在、一部の登山口では警察が注意喚起の看板を設置し、立ち入りを制限している状態です。規制解除の時期は、火災が完全に収まり、安全が確認されてから発表されるとみられます。
まとめ
- 妙義山で12月8日に大規模な山火事が発生
- 場所は「堀切」周辺で約8万㎡が延焼
- 原因は未発表だが人的要因の可能性が高いとみられる
- 乾燥・強風・険しい地形の影響で消火が難航
- 自衛隊も加わり、9日から消火活動を再開
- 登山道は一部規制中で、解除は鎮火後となる見込み
日本三大奇勝に数えられる美しい妙義山が、一日も早く元の姿を取り戻すことを願うばかりです。続報が入り次第、情報を更新していきます。