2025年10月21日に発足した高市早苗内閣で、内閣官房副長官に就任した尾崎正直（おざきまさなお）氏。
高知県知事を3期務め、地方創生に実績を残した尾崎氏の抜擢は、「地方の声を官邸に」という高市首相の意志を象徴しています。
そんな尾崎氏に対して、政界や国民の評価はどうなのでしょうか？
今回は、尾崎正直官房副長官の経歴や知事時代の実績、そして現在の評判について詳しく解説します。
尾崎正直とは？
尾崎正直氏は1967年生まれの58歳。高知県高知市出身で、東京大学経済学部を卒業後、大蔵省（現・財務省）に入省したエリート官僚出身の政治家です。
官僚時代には関税局や在インドネシア日本大使館などで勤務し、国際感覚と財政知識を磨いてきました。
2006年には内閣官房副長官秘書官として官邸勤務を経験し、その後、2007年に財務省を退官。
同年の高知県知事選に無所属で立候補し、初当選を果たしました。以降、12年間にわたり高知県政を率いた人物です。
高知県知事としては、「小さくても輝く県」をスローガンに掲げ、農業・林業・観光・教育など幅広い分野で成果を残しました。
2021年の衆議院選挙で自民党公認として国政に進出し、現在は衆議院議員2期目。2025年10月、高市内閣の官房副長官に就任しました。
官房副長官の役割とは？
官房副長官は、内閣官房長官を補佐し、内政・外交のあらゆる分野で首相を支える「政権の黒子」と呼ばれる存在です。
内閣官房副長官は3人体制で、衆議院・参議院から各1名の「政務担当」と、官僚出身の「事務担当」が務めます。
尾崎氏は、衆議院側の政務担当副長官として就任。
首相・官房長官の右腕として、省庁間の調整や危機管理対応、政策立案のサポートなど、官邸の中枢で極めて重要な役割を担います。
本人も就任の際、「24時間365日働く官邸。この厳しさは変わらない」と語り、覚悟のほどを見せています。
知事として地方行政を熟知してきた経験が、国政レベルでどう生かされるのか注目が集まっています。
高知県知事時代の実績は？
尾崎氏が知事として12年間務めた高知県では、数値で見ても成果が明確に現れています。
農業・林業・水産業の振興
農業産出額：約170億円増加 林業：原木生産量54％アップ 水産業：養殖業の生産額62％アップ
一次産業の底上げに成功し、地域経済の強化に大きく貢献しました。
商工・観光分野の成長
製造品出荷額：約10％増加（約5057億円→5560億円） 観光客数：県外観光客が約45％増
「リョーマの休日」など観光キャンペーンを打ち出し、地方創生のモデル県として全国的に評価されました。
少子化対策
合計特殊出生率：1.29 → 1.48に上昇
地方において出生率を向上させた知事は珍しく、実効性ある少子化対策として注目されました。
これらの結果、尾崎氏は全国知事会副会長や教育再生実行会議のメンバーとしても活動し、「地方の声を国に届ける知事」として高く評価されてきました。
評価と評判は？
尾崎氏に対する政界・世論の評価は概ね好意的です。
特に高知県民からは「誠実で実直」「言葉に説得力がある」との声が多く、リーダーとしての信頼感が強い政治家として知られています。
実際にSNS上でも、
「高知県を変えた実務派知事」
「数字で結果を出すタイプ」
「中央と地方の両方を理解している稀有な政治家」
といった評価が目立ちます。
また、官邸内でも「地方行政に精通した実務派」として期待されており、高市首相からの信頼も厚いようです。
本人の謙虚な姿勢も好感を呼んでおり、「2期生の若造として足を引っ張らないように頑張る」という言葉に、誠実な人柄が表れています。
派閥は？今後の展望は？
尾崎氏は現在、無派閥です。
しかし、過去には二階俊博氏と面会して出馬の了解を得た経緯もあり、今後「二階派」に合流する可能性が指摘されています。
一方で、尾崎氏は「経済成長と社会福祉の両立」を重視する中道的な政策スタンスを持つため、いずれ独自路線を歩む可能性もあります。
現時点では派閥に依存せず、政策実務で評価を積み重ねていく段階。
官房副長官として成果を上げれば、将来的に初入閣、さらには閣僚クラスへの昇進も視野に入るでしょう。
まとめ
尾崎正直官房副長官は、
・財務省出身のエリート官僚
・地方創生に実績を残した高知県知事
・実務派で誠実な人柄
という三拍子そろった政治家です。
官房副長官としての就任は、高市内閣にとっても「地方の声を国政に届ける」という象徴的な人事。
評価はおおむね高く、地元でも「信頼できる政治家」として厚い支持を受けています。
今後、政権の中枢でどのような役割を果たすのか。
地方出身の実務派リーダーとして、尾崎正直氏の動向に注目が集まります。