2025年12月4日早朝、山口県宇部市の広い範囲で発生したガス漏れ事故。複数の住宅でガスコンロの炎が異常に大きくなるなどのトラブルが起き、一部では火災にもつながりました。 この事故を受け、都市ガスを供給する山口合同ガスは緊急会見を開き、復旧の見通しについて説明しています。
この記事では、ガスはいつ復旧するのか? そして事故の原因・影響・今後の対策について、最新情報を分かりやすくまとめています。
ガスは週明けに復旧
山口合同ガスは記者会見で、「安全確認ができた地域から順次ガスを再開し、週明けまでには全体の復旧を目指す」と発表しました。
ただし、広範囲にわたる供給停止と安全点検が必要になるため、状況によっては復旧が遅れる可能性もあります。 特に火災が発生した住宅やガス設備に異常が確認された家庭では、個別点検が必須のため復旧は後ろ倒しになる見込みです。
供給再開に時間がかかる理由
- 一軒ずつガス漏れ・機器の安全確認が必要
- ガス圧が異常だった可能性があるため、設備のチェックが必須
- 復旧後の再点火作業もスタッフが行う必要がある
今回の事故は「ガス圧が高い状態で供給されていた可能性」が指摘されており、通常よりも慎重な復旧作業が行われています。
ガス漏れの原因は45年前の設備が故障
事故原因として挙げられているのは、宇部市琴芝町1丁目に設置されている「ガバナ(ガス圧調整装置)」の故障です。 家庭へ送られるガスの圧力を下げる役割を持つ重要な装置ですが、今回この機器が正常に働かず、ガス圧が高いまま供給された可能性があるとされています。
ガバナとは?
ガバナは、工場から送られてくる高圧ガスを家庭向けの安全な圧力に調整する装置です。 これが故障すると、家庭のガス設備が想定外の圧力にさらされ、ガス漏れや火災のリスクが一気に高まります。
今回のガバナの問題点
- 1980年に設置された45年前の設備
- 76カ月(約6年4カ月)ごとに点検していた
- 今年2月の点検では異常なしと判断されていた
- 緊急遮断機能や高圧逃がし機能のない旧型
設備自体は定期点検されていたものの、内部の金属劣化や部品摩耗は外観だけでは判断できないことから、今回の故障につながった可能性があります。
なぜこんな大規模な事故になったのか?
今回の事故が「前代未聞」と言われている理由のひとつが、都市ガス設備のフェイルセーフ(緊急時の自動停止)機能の不足です。
家庭のガスメーターは圧力異常を検知できない
家庭用ガスメーターには「異常な流量(破裂・漏れなど)」を検知すると自動遮断する機能がありますが、 ガス圧が高すぎる場合の安全装置は備わっていません。
そのため、供給側の圧力が異常になっても、家庭側では防げなかったとみられています。
都市ガス業界全体の課題も浮き彫りに
- 設備の老朽化(40年以上前の機器が残存)
- 緊急遮断・圧力逃し装置がついていない旧型機器
- 人員不足によるインフラ維持の難しさ
- 技術継承の遅れ
北海道や大都市でも同様の旧式設備が残っている可能性があり、「全国的なインフラ見直しが必要」との声も上がっています。
被害世帯への補償はどうなる?
ガスコンロ周りの焼損や小規模火災が複数発生しており、今回の事故はガス会社側の設備故障が原因と見られるため、 山口合同ガスが補償を行う方針になると考えられます。
現段階では詳細は発表されていませんが、被害内容の大きさを踏まえると、 早めに補償方針を公表する必要があるとの指摘も出ています。
今すぐできる対応
1. ガス臭い・異音がする場合は元栓を閉める
ガス漏れの可能性がある場合は、ただちにガスメーター横の元バルブを閉めてください。 (ガス会社の指示がある場合は従ってください)
2. 火気厳禁・換気の徹底
- コンロを使わない
- ストーブやライターも使用厳禁
- 窓を開けて換気
3. 復旧作業はガス会社のスタッフに任せる
ガスの再点火はガス会社が行うため、住民側で行う必要はありません。
まとめ
山口県宇部市のガス漏れ事故は、古いガバナ(ガス圧調整装置)の故障が原因とみられ、広範囲でガス供給が停止しています。 山口合同ガスは「週明けまでの全面復旧」を目指すとしていますが、家庭ごとの安全確認が必要なため状況次第では遅れが生じる可能性があります。
今回の事故は、都市ガス設備の老朽化や安全装置の不足など、インフラ全体の課題も浮き彫りにする形となりました。 現場では復旧作業が続いていますので、住民の方はガス会社の指示に従い、安全を最優先に行動するようにしましょう。
