タイ国民から長く敬愛されてきたシリキット王太后が、2025年10月24日、バンコク市内の病院で亡くなりました。93歳でした。
タイ王室によると、死因は「血液感染症の悪化」とされています。プミポン前国王の妻として、長年にわたり社会福祉や伝統文化の振興に尽力してきた王太后。その功績と最期の様子について詳しく見ていきます。
シリキット王太后とは？
シリキット王太后は1932年、バンコクで誕生。1950年にプミポン前国王（ラーマ9世）と結婚し、王妃として約70年にわたって国王を支えました。
プミポン前国王とともに農村を訪問し、貧困対策や教育支援、環境保全、伝統工芸の発展に尽力。特にタイシルク産業の振興に大きく貢献し、「国母（メー・ルアン）」と呼ばれ親しまれてきました。
病気の原因は？
タイ王室の公式発表によると、王太后は**血液感染症（敗血症）**が悪化したため、2025年10月24日夜に息を引き取りました。
血液感染症とは、体内に侵入した細菌などが血液を通じて全身に広がり、臓器の機能不全を引き起こす重篤な病気です。
病気はいつから？
シリキット王太后は、2019年に体調を崩してから長期療養を続けていました。
高齢による体力の低下も重なり、感染症への抵抗力が弱まっていたとみられています。
一時は回復の兆しを見せたものの、近年は入退院を繰り返していたようです。
タイ王室と国民への影響は？
シリキット王太后の訃報は、タイ全土に大きな衝撃を与えました。
政府は服喪期間を設け、
公務員は1年間、喪服・喪章の着用 官庁や学校は30日間、半旗掲揚 民間企業や観光業にも30日間の自粛要請
という措置を発表しました。
現在のタイ王室と今後の動き
シリキット王太后の死去により、現国王であるワチラロンコン国王（ラーマ10世）にとって大きな節目を迎えました。
王太后の国葬は国を挙げて行われる見通しで、詳細な日程は追って王室から発表される予定です。
タイ王室は「王太后の功績は永遠に語り継がれる」との声明を出しており、国民の深い哀悼の意が広がっています。
アヌティン首相も帰国へ
現在ASEAN首脳会議に出席中のアヌティン首相は、会期を短縮してタイに帰国する予定。
王太后の葬儀には国内外から多くの弔問客が訪れるとみられ、国全体が深い悲しみに包まれています。
現在のタイ王室と今後の動き
シリキット王太后の死去により、現国王であるワチラロンコン国王（ラーマ10世）にとって大きな節目を迎えました。
王太后の国葬は国を挙げて行われる見通しで、詳細な日程は追って王室から発表される予定です。
タイ王室は「王太后の功績は永遠に語り継がれる」との声明を出しており、国民の深い哀悼の意が広がっています。
まとめ
シリキット王太后は、長年にわたってタイの発展と文化を支えてきた「国母」として、国民から深く敬愛されていました。
死因となった血液感染症は、高齢者に多い深刻な病気であり、長年の療養の末の最期でした。
王太后の功績は今後もタイの歴史に刻まれ、その精神は息子であるワチラロンコン国王、そして国民に受け継がれていくことでしょう。