ソフトバンクの浜口遥大投手(30)が、今季限りで現役を引退することを発表しました。
2016年のドラフト1位でDeNAに入団し、ルーキーイヤーにはいきなり10勝を挙げるなど大きなインパクトを残した左腕。昨年オフにソフトバンクへトレード移籍したものの、1年でユニフォームを脱ぐ決断を下しました。
なぜ、まだ30歳という若さで引退を決めたのでしょうか?その理由や背景を詳しく見ていきます。
浜口遥大が引退を発表
ソフトバンクを戦力外となっていた浜口遥大投手が、11月11日、筑後市のファーム施設を訪れ、現役引退を表明しました。
取材に応じた浜口投手は、晴れやかな表情でこう語りました。
「本当に悔いがない。僕自身ここ数年いろんなことを抱えながら、自分ができるパフォーマンスが最大限発揮できなくなっていた。やれることはやったという思いです」
8年間のプロ生活を振り返りながら、最後まで全力を尽くした姿勢を滲ませました。
引退するに至った理由とは?
浜口投手が引退を決意した大きな要因は、身体的な問題でした。
2024年4月、国指定の難病である「黄色靱帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)」と診断され、同時に左肘の手術も受けています。
黄色靱帯骨化症とは、脊椎の黄色靱帯が骨化して神経を圧迫し、しびれや痛み、運動障害を引き起こす病気。アスリートにとっては致命的な症状になるケースも少なくありません。
7月に復帰して3軍・2軍の試合には登板しましたが、1軍での登板は叶わず。
戦力外通告を受けたことで、現役を続けるよりも“区切り”を選んだといいます。
「戦力外を受けて、いろんなことを考えていく中で、ここが区切りかなと思いました。プレーヤーとして続けたいという気持ちにならなかった」
年齢やケガの状況を考慮して、自ら引退を決断した形です。
DeNAからソフトバンクへ──激動の8年間
DeNA時代:ルーキーイヤーから主力へ
浜口投手は2016年ドラフト1位でDeNAに入団。
翌2017年にはいきなり10勝を挙げ、日本シリーズ進出にも貢献するなど、チームを支える先発左腕として存在感を発揮しました。
その後もローテーションの一角として活躍し、通算135試合で44勝46敗、防御率3.76という成績を残しています。
トレードでソフトバンクへ
2023年12月、三森大貴内野手とのトレードでソフトバンクに移籍。地元・九州のチームで新たなスタートを切りましたが、ケガと病気の影響により1軍登板はゼロ。
それでも浜口投手は「地元で野球人生を終えられたのは良かった」と、前向きな言葉を残しました。
ファンと仲間への感謝の言葉も
取材の中で浜口投手は、支えてくれたファンやチーム関係者への感謝も口にしました。
「上手くいく1年ではなかったけど、チャンスをもらえたことに感謝しています。地元で終えられたのは、いい野球人生の締めくくりかなと思います」
また、古巣・DeNAへの思いも忘れずに、
「勝つ喜びや負ける悔しさなど、スポーツを通してでしか感じられないことをたくさん経験させてもらいました」
と語り、支えてくれた監督やスタッフ、そしてファンに深く感謝を伝えました。
今後の活動は?
現時点では、浜口投手の今後の進路については明らかにされていません。
ただ、彼の真面目で人柄の良さから、将来的には指導者や解説者として野球界に貢献する可能性もありそうです。
また、難病を公表して戦い続けた経験は、多くの人に勇気を与えることでしょう。
まとめ
浜口遥大投手の引退理由は、難病「黄色靱帯骨化症」と左肘の故障によるコンディション不良が大きな要因でした。
それでも、「やりきった」「悔いはない」と語ったように、プロ野球人生を全うした潔い引き際が印象的です。
DeNA時代の輝き、そしてソフトバンクでの挑戦。
波瀾に満ちた8年間でしたが、彼の真摯な姿勢と努力は、多くのファンの記憶に残り続けるでしょう。
