ドラマ『良いこと悪いこと』は、替え歌やタイムカプセルといった巧妙な仕掛けで視聴者の推理心を刺激してきました。
終盤に差し掛かり「真犯人は誰か」「伏線は何を示しているのか」が最大の関心事に。本記事では、これまでの描写を丁寧に拾い上げ、登場人物の行動・動機・矛盾点を整理して“最もらしい”犯人像を提示します。
序盤~中盤で押さえておきたい「事実」と「伏線」
主要事実の整理
- 34歳の男女複数が連続して死亡・事件化している。
- 被害者たちには小学校時代(鷹里小)に遡る共通の因縁があるらしい。
- 替え歌(=ターゲットを指し示す歌)がキーアイテムとして何度も登場している。
- タイムカプセルに関する事件・掘り起こしが物語の起点の一つになっている。
- 「週刊アポロ」の関係者や小山、桜井、高木らが直接的・間接的に絡んでいる。
目立つ伏線(ピックアップ)
- 替え歌の順番:被害者が替え歌に登場する順に死んでいる、もしくは事件が進行している。
- 小山の“米国滞在”:アリバイ、だが不自然にタイミングが合う。意図的な演出の可能性。
- 桜井の“回復と新店計画”:短期間で資金の目処が立ったように見えるが説明不足。資金提供者の存在を匂わせる描写。
- 大谷の行動:卒業アルバム(6人の写真が黒塗り)をタイムカプセルに入れたこと、病院での不審な登場。
- 羽立(ちょんまげ)の失踪:チャットの「博士」とのやりとり、行動変化。重要人物に接触した後に消息不明に。
- 会見でのガラス落下事件:事前に“注意”を促すような動きがあり、仕掛けの臭いがする。共犯の姿がほのめかされる。
犯人候補の検討(人物別にメリット・デメリットを整理)
小山隆弘(森本慎太郎 演) — 最有力候補?
【有利な点】
- 替え歌を歌う、チャットや人物操作など情報戦に長けた描写が多い。
- 米国にいたというアリバイが逆に“遠隔でリードする”という演出に使える。
- 桜井と頻繁に連絡を取り合っており、資金や情報のやり取りが想像しやすい。
【疑問点/反論】
- 物理的に実行できない場面(現場にいなければならない状況)では共犯や代行を使った可能性があるが、そこをどう説明するかが鍵。
- 検視や身元確認の制度を突破して被害者を偽装するのは現実的に難しい。脚本上の説明が必要。
桜井幹太(工藤阿須加 演) — “死んだ人物”としてのミステリー
【有利な点】
- 火事の後に回復→新店計画と不自然な資金流入を示す描写がある。
- 一時的に“犯人臭”を漂わせる演出があり、「実は生きているのでは?」という疑念を視聴者に植え付けている。
【疑問点/反論】
- 検視で身元確認が済んでいる以上、生存偽装は説明が必要(現代ミステリの現実ライン)。
- 回復後の言動に違和感は残るが、それだけで主犯とするには動機の説明が弱い。
東雲晴香(深川麻衣 演) — “影の共犯”の可能性
【有利な点】
- 事件に近い位置(猿橋の同僚)であり、会見での“注意”を促す場面で影が薄くなっていた。
- 猿橋より実力がある設定が嫉妬や怨恨の動機を匂わせる。
【疑問点/反論】
- 証拠が乏しい。動機は作中の描写次第で膨らませられるが、現状では推測の域を出ない。
大谷典代(赤間麻里子 演) — 元担任としての関与の示唆
【有利な点】
- タイムカプセルや卒業アルバムに直接関わっており、過去を知る立場。
- 病院での不自然な立ち回りがあり、命令を受けて動いた可能性。
【疑問点/反論】
- 主導者というよりは、命令や圧力で動かされた“実行役”や“協力者”に見える描写が強い。
伏線の読み方:どの“証拠”を重視するか
替え歌は「心理操作」の道具
替え歌が示す順番性は単なる演出ではなく、犯人が被害者の精神を操作し、恐怖と混乱を拡大するための戦術と考えるのが自然です。
順番を守わせることでパターンを作り、捜査側を誘導する──これが意図なら、替え歌を知り得る立場、かつそれを悪用できる人物が黒に近い。
米国アリバイの意味をどう取るか
「現場にいない=無罪」にはならないのがミステリの面白さ。遠隔から指示する主導者(黒幕)と、手を汚す実行役(共犯)を分けることで物語がスケールアップします。だから米国にいた小山の存在はむしろ“指揮者”としての色を濃くする。
「会見のガラス」事件は共犯の存在を示唆する
会場での細やかな仕掛け(誰かが注意を促すなど)は、内部に通じた人物の関与を示します。会場に出入りできる人間、対象者の行動パターンを熟知している人が不可欠です。
別の視点:作者による“フェイク”の可能性
脚本は視聴者を踊らせるために、意図的に「怪しい行動」や「不自然な説明不足」を散りばめます。Aが怪しく見えることでBをかばい、最終的にCが真犯人、という構図は古典的です。だから「直感で怪しい人物=犯人」と短絡するのは危険です。重要なのは“動機の深さ”、“物理的に可能かどうか”、“隠蔽の方法が現実的か”の三点です。
私の結論(考察のまとめ)
現時点の描写を総合すると、小山隆弘が最も真犯人(または黒幕)である可能性が高いと考えます。理由は以下:
- 替え歌やチャットを通じて情報操作を行っている描写が多い
- 物理的に現場にいないフリをして、遠隔で指示を出す立場に最もふさわしい
- 桜井や羽立など“動かしやすい登場人物”と密に連絡を取っている/取っていた
ただし、「小山一人で全てを実行した」と結論づけるのは危険です。会見の仕掛けや現場での細工には共犯ないし協力者が関与しているはずで、東雲や大谷、桜井のような人物たちが“道具として”使われた可能性は高いです。
今後の注目ポイント(最終回までに確認したいこと)
- 小山のアリバイにある「証拠写真」「連絡の痕跡」の真贋
- 羽立の消息と「博士」の正体(チャット履歴の出所)
- 桜井の保険・資金移動の具体的な出どころ
- 会見での仕掛けに関与できる人物の行動ログ(会場入退場、セキュリティ記録等)
まとめ
現段階で最も辻褄が合うのは「小山が黒幕で、複数の協力者(実行役)を使って連続殺人を演出した」という仮説です。替え歌やタイムカプセルといった仕掛けは心理操作と誘導のためのツールであり、これらを使いこなせる人物が主犯である可能性が高い。
ただし、検視や身元確認など現実の手続きに対する脚本的な説明が今後どのようになされるかで、最終的な評価は変わってきます。最終回での“明かし方”次第では、全く別の人物に真犯人が収斂することもあり得ます。
