大河ドラマ『べらぼう』もついに最終回、第48話を迎えました。本記事では、蔦屋重三郎（通称・蔦重）の波乱万丈な人生と、最後の瞬間まで描かれた最終回の結末を詳しくネタバレでご紹介します。歴史と創作が交差するドラマのクライマックスを振り返りつつ、蔦重の生き様とその遺産についても触れていきます。
写楽プロジェクトの幕引きと蔦重の思い
第48話は、まず写楽プロジェクトの終了から始まります。江戸の町人文化を彩った謎の絵師「東洲斎写楽」の正体は明かされず、蔦重はチームの仲間たちとともに慰労会を開きました。歌麿はこの宴で、自分もまた写楽絵の一部として世の中に参加できた喜びを語ります。蔦重にとっても、仲間たちと過ごした日々は大切な財産となりました。
本居宣長との出会い
ある日、ていが手にした忘れ物の本『玉くしげ』をきっかけに、蔦重は国学者・本居宣長の思想に触れます。宣長の考えは、幕府が重んじる儒学とは異なり、日本独自の「もののあはれ」を重視するものでした。蔦重は「本屋には人々に知るべきことを広める使命がある」と確信し、宣長との協力を決意します。こうして江戸の人々に和学の魅力を伝える新たな挑戦が始まりました。
吉原再興への奔走と妻・ていの想い
一方で、蔦重は吉原の経営難を放置できず、自ら現状を調べ奔走します。女郎や芸者が困窮する様子を見て、商いの再建策として『新吉原町定書』を作成。困っている人々を救おうとする姿に、妻のていは古代中国の商人・陶朱公の姿を重ね合わせ、静かに覚悟を固めます。
脚気に倒れる蔦重と最後の時間
1796年秋、蔦重は脚気に倒れます。それでも筆を取り続け、黄表紙や浮世絵を世に送り出す姿は、仲間たちの心を揺さぶりました。ある日、蔦重は「昼九つにお迎えが来る」と予告し、静かに最期の時を待ちます。仲間たちは涙を流しながらも、呼び戻そうと踊りを交えます。その瞬間、蔦重は目を開け、微笑みます。最後に彼が口にしたのは「人生は一炊の夢」という言葉でした。
蔦重の遺したもの
蔦重の死後、耕書堂は番頭・勇助が継ぎ、二代目蔦屋重三郎として版元稼業を続けました。彼は北斎や曲亭馬琴、山東京伝らを育て、初代蔦重の志を引き継ぎました。しかし、初代ほどのプロデュース力は見られず、徐々に家運は傾いていきます。それでも、蔦重が残した「義と情に生きる商い」の精神は、後世に確かに受け継がれました。
まとめ
『大河べらぼう』第48話では、蔦屋重三郎の生涯と江戸文化への貢献が描かれ、最期の瞬間まで仲間や家族とともに過ごす様子が感動的に描かれました。写楽プロジェクトの終了、本居宣長との出会い、吉原再建への奔走、そして脚気に倒れながらも筆を取り続けた姿…。蔦重の「べらぼうに生きる」精神は、このドラマの核心であり、視聴者の心に鮮やかに刻まれます。歴史と創作を織り交ぜた大河ドラマの結末として、彼の物語は静かに、しかし力強く幕を下ろしました。