退職代行サービスとして若者を中心に急速に利用者を増やしていた「モームリ」。 その運営会社の社長夫妻が、弁護士法違反の疑いで警視庁に逮捕されたというニュースが大きな注目を集めています。
「退職代行は違法なの?」「利用者に影響はあるの?」と疑問を感じた人も多いのではないでしょうか。 この記事では、今回の事件で何が問題視されたのか、退職代行サービス自体は違法なのかなどを、わかりやすく整理して解説します。
退職代行「モームリ」とはどんなサービス?
「モームリ」は、退職を希望する本人に代わって、勤務先に退職の意思を伝える退職代行サービスです。 2022年に事業を開始し、退職の意思表示だけでなく、有給休暇の残日数や必要書類の確認なども行うことで知られていました。
精神的な負担を感じやすい若年層を中心に支持を集め、累計利用者数は4万人を超えていたとされています。
社長夫妻が逮捕された理由
今回、弁護士法違反の疑いで逮捕されたのは、「モームリ」を運営する会社「アルバトロス」の社長と、その妻で従業員の2人です。
問題となったのは「弁護士へのあっせん」
弁護士法では、弁護士以外の人が報酬を得る目的で法律事務をあっせんする行為は禁止されています。
捜査関係者によると、2人は退職代行の依頼者を弁護士に紹介し、その見返りとして紹介料を受け取っていた疑いが持たれています。 この「報酬目的での紹介行為」が、弁護士法に違反すると判断された可能性があります。
警視庁の捜査はいつから始まっていた?
この問題をめぐっては、すでに去年10月の時点で警視庁が動いていました。
当時、運営会社の本社や社長の自宅、さらには関係する弁護士事務所など、複数の場所が家宅捜索を受けています。 その後、関係者への事情聴取や押収資料の分析が進められ、今回の逮捕に至ったとみられます。
紹介を受けた弁護士側も調査対象に
警視庁は、「モームリ」側から依頼者の紹介を受けていた弁護士についても、違法性がなかったかどうか慎重に調べているとされています。
退職代行サービスは違法なの?
今回の事件を受けて、「退職代行そのものが違法なのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。
結論から言うと、退職代行サービス自体が直ちに違法になるわけではありません。
合法と違法の分かれ目
ポイントとなるのは、業務内容です。
- 本人の代わりに「退職の意思」を伝えるだけ → 原則として合法
- 賃金請求や損害賠償などの「法律交渉」を行う → 弁護士のみ可能
今回のケースでは、弁護士でない運営会社が、法律事務に関わる依頼を弁護士に紹介し、その対価を受け取っていた点が問題視されました。
利用者への影響はあるのか
現時点では、過去に「モームリ」を利用した人が、ただちに不利益を受ける可能性は低いと考えられます。
ただし、今後の捜査結果や裁判の行方によっては、退職代行業界全体に対する規制や監視が厳しくなる可能性もあります。
退職代行を利用する際の注意点
今回の事件から、利用者側も以下の点を意識することが重要だといえます。
- 運営元が弁護士か、弁護士と正式に提携しているか
- 交渉行為を誰が行うのかが明確か
- 料金体系や業務範囲がはっきり説明されているか
「安いから」「有名だから」という理由だけで選ぶのではなく、サービス内容をしっかり確認することが大切です。
まとめ
退職代行「モームリ」の社長夫妻が逮捕された背景には、弁護士法で禁止されている「報酬目的での法律事務のあっせん」があったとみられています。
退職代行サービスそのものが違法というわけではありませんが、業務の線引きを誤ると、今回のように刑事責任を問われる可能性があります。
利用者にとっても、安心して退職代行を使うためには、サービスの仕組みや運営体制を理解することが、これまで以上に重要になりそうです。
