2026年衆議院選挙は、高市早苗首相率いる自民党の歴史的大勝という結果に終わった。 しかしその裏で、「なぜ落選したはずのれいわ新選組・大石あきこ氏が国会に戻るのか?」という疑問が、SNSを中心に大きな波紋を広げている。
選挙制度の仕組みを知らなければ、理解しにくい今回の“比例復活”。 本記事では、大石あきこ氏が復活当選した理由と、その背景にある衆院選特有の制度的な問題点を整理していく。
自民党が勝ち過ぎた結果、起きた「想定外」
2026年の衆院選で自民党は、単独で316議席を獲得し、衆議院の3分の2を超える圧勝となった。 小選挙区での勝率は86%と、過去に例を見ない水準に達している。
一見すると盤石に見える結果だが、ここで思わぬ事態が起きた。 それが「比例復活候補者の不足」である。
比例復活とは何か
衆議院選挙では、小選挙区で落選した候補者でも、比例代表名簿に掲載されていれば復活当選する可能性がある。 これが「比例復活」だ。
しかし今回は、自民党が小選挙区で勝ち過ぎたため、比例復活に回るはずの重複立候補者が足りなくなるという異例の状況が発生した。
公職選挙法に基づく「議席の譲渡」
比例区では、各党の得票数に応じて議席数が配分される。 だが、割り当てられた議席を受け取る候補者がいない場合、その議席は他党に回される。
今回、自民党はこの規定により14議席を失い、それが他党へと分配された。
れいわ新選組はなぜ1議席を得たのか
れいわ新選組は今回、小選挙区・比例代表を合わせて31人の候補を擁立したが、当初は全員落選。 「議席ゼロ」で終わる可能性が高いと見られていた。
しかし、自民党から譲渡された14議席のうち1議席が、れいわ新選組に割り当てられたことで状況が一変する。
比例名簿の順位がカギ
比例代表では、名簿順位と惜敗率などをもとに当選者が決まる。 れいわに回された1議席は、比例名簿上位にいた山本譲司氏に充てられた。
この結果、れいわ新選組は“土壇場”で国会に議席を残すことになった。
大石あきこ氏への批判が噴出した理由
比例復活そのものは制度上、合法であり違反でも不正でもない。 それでも大石あきこ氏への批判が強まったのには理由がある。
選挙戦での徹底した高市批判
大石氏は選挙期間中、高市首相を強く批判する発言を繰り返してきた。 国会内外での激しい言動は注目を集める一方、「行き過ぎ」と受け止めた有権者も少なくなかった。
そのため、結果的に「高市政権の大勝による副産物」で議席を得た構図に対し、違和感を覚える声が噴出したのである。
SNSで広がる「辞退すべきでは?」論
X(旧Twitter)では、
- 自民党に投じた票が、なぜれいわの議席になるのか
- あれだけ批判した政権の“おこぼれ”を受け取るのは筋が違う
- 民意としては議席ゼロだったのではないか
といった声が相次いだ。
れいわ側は「正当な議席」と主張
選挙後の会見で、大石あきこ氏と櫛渕万里共同代表は、この1議席を「制度に基づき得た正当な結果」と位置づけた。
党代表・山本太郎氏不在という厳しい状況の中でも、「踏みとどまった」という認識を示している。
つまり、れいわ側にとっては「おこぼれ」ではなく、「最後まで残った結果」だという主張だ。
制度が生む違和感と、有権者の温度差
今回のケースは、衆議院選挙の制度が持つ矛盾を浮き彫りにした。
・圧勝した政党が議席を失う ・落選した政党が議席を得る
これらはすべて制度上は正しいが、有権者の感覚とズレが生じやすい。
特に、強い対立構図を作っていた政治家が、その相手側の勝利によって恩恵を受ける場合、反発が強まるのは避けられないだろう。
まとめ
れいわ新選組・大石あきこ氏が比例で復活した理由は、自民党が小選挙区で勝ち過ぎたことによる「比例議席の余剰」という、極めて制度的な事情にある。
違法でも不正でもない一方で、有権者感情とのズレが大きく、「民意とは何か」を改めて問いかける結果となった。
今回の選挙結果は、個々の政治家の評価だけでなく、衆議院選挙制度そのものを見直す必要性を示しているのかもしれない。
